リアンお迎え&カナダ訪問雑記 1

2004年3月末に一旦アメリカの親元に戻って、AKCのショーに出ていたリアンを日本に戻すため、9月末に迎えに行きました。今回はその時のいろいろな話です。

 当初の予定では、8月にシーズンが来ると予想していたために実は早めに親元の所に連れて行きました。というのも、向こうでタイトルを取るまでにどのくらいかかるのか、実際に出てみないことには予測ができなかったからです。
 多少時間がかかっても仕方がないと思っていたものの、こちらの予想を裏切る快進撃をしてしまい、初めて出したショーでBest of Winners(これは欠席がなければ4pt. Major になっていた)クラスさえ抜けてしまえば、ほぼ毎度 winners まで行ってポイントは稼ぐという状態でした。なかなかメジャーが出るほど出陳が揃うショーに恵まれなかったのですが、5月にまず最初のメジャーを取りました。その後、やはりメジャーが出るショーに恵まれずほぼ1ヶ月お休み。7月に入ってすぐにもう一つメジャーを拾い、実質3ヶ月でタイトルを取ってきてしまいました。(日本での評価のなさは何だったの?という感じ/笑)
 後はシーズンが来るのを待って、交配して落ち着いたら日本に戻るだけ、となったのですが、ここから先が計算通りにいきませんでした。

 まず、8月にシーズンが来るはずが遅れて全く来ない。次に当初予定していた交配相手のオス犬の血統を調べていったところ、遺伝的な問題が出るかもしれないことがわかって断念せざるを得なくなりました。リアンのシーズンが遅れたことがここで逆に今度は幸いするのですが、急遽別の相手を探すことになり、ギリギリまで相手探しと調査にバタバタすることになってしまいました。
 長い話を一気に縮めると、相手を探し回った末にカナダの犬を候補に決めたところで、ようやくリアンのシーズンが来て、交配を兼ねて迎えに行くことになりました。

 本来ならば、交配まで親元にお願いして交配後落ち着いてから迎えに行くつもりでした。ところがリアンのシーズンが来て交配に連れていくのに最適な時期には、親元のところでは出産予定がありました。こうなると遠方までうちを留守にして連れていってもらうのはとても無理なので、急遽、私がリアンを連れて行くことになり、交配後そのまま日本に一緒に戻ることになったわけです。交配先はカナダのトロント郊外。当初レンタカーして走っていくつもりでしたが地図片手にシカゴ郊外からの距離を計算すると軽く見積もっても7,8時間のドライブになることが判明。これはとてもじゃないけれど身が持たないと思い、結局シカゴからトロントまで飛行機で往復することに決めました。(なんと飛行機だと実質飛行時間は約1時間)

 交配相手の決定までの話ですが、アメリカ、カナダではスタッド(オス)側は当然ですけれど交配してもらうメス側も遺伝性疾患の検査を通っていることが半ば常識になっています。私も当然、相手側がどういう検査をしているのか、それぞれの結果はどうなっているのかを直接オーナーに聞き、かつ、証明書のコピーも全部送ってもらっています。それと同時に、リアンの血統書と今までの検査の内容とその結果も全部相手側に送ってあります。(これはオス側からも当然のように要求されるし、もし問題があれば交配を断られても仕方がありません)検査結果という形で具体的に残らない他の問題のこと=例えば血縁内でテンカンなどの問題やブロートの経緯の有無、ということまで直接電話で話を聞いています。その上で血縁的に問題がないかどうか、タイプとしてどうかなどなど、考えることがたくさんあって、正直なところ当初予定していたオスではまずいとわかってからカナダの犬に決めるまでの約2ヶ月、それこそ徹夜しそうな勢いで血統関係を調べたり、他の候補にあたったり、別のブリーダー達と話をしたりと、かなり大変な作業というか、、、はっきり言って疲れました。(笑)
 何かの機会(とヒマ/笑)があれば書きますが、たくさんオス犬がいるアメリカでさえ本当に問題がなさそうな相手犬となると、たくさんいそうで意外といない、ということも今回のことで本当によくわかりました。避けたい血統の犬をはじいていくと、それだけで残りがまず少なくなってくるし。。。今回、当初のオス犬をやめた原因というのは、そのオス犬自身に問題があった訳ではなく、そのオス犬の先祖にあたるある有名犬が問題でした。この有名犬はリアンの父方の先祖としても入っていて、この犬が血統内の近いところでダブルになると将来的に問題が発生しやすいという話が実際にあったためでした。(これは複数人からの証言で確実だと思います)同じ共通の先祖が重なることで初めて表に出る問題、これこそまさに劣性遺伝の恐さです。この貴重な情報を知らせてくれた人達に感謝しつつも、おかげで選べるオス犬の選択肢が更に狭まってしまったという結果になりました。なんせその犬、超有名なので(過去の犬ですけれど)調べていくとこの先祖犬が入っていない相手を探すことそのものがとても大変だったというわけです。これにプラスして、実際に問題があるとわかっている犬が入っている血統もはじいて、、、となると、思ったほど交配に使える相手がいない、という結果になったというわけです。それやこれや、いろいろあった末にカナダ行きが決定したという次第です。

 9月30日。実に3年ぶりにレンタカーで走るシカゴ郊外の高速道路。調子に乗って運転しながらの撮影。空に浮かんでいるゴミみたいな物(赤丸の中)はオヘア空港から飛び立った飛行機。
 リアンをクレートごと乗せて翌日空港に行かなくてはならないので今回、ミニバンをレンタカーしたら、これがものすごく快適な車でした。(Dodge Caravan)さすがに何度も行き慣れたリアンの実家、今回は迷うことなくスイスイと走って到着。ただし、翌朝はものすごい渋滞で普段ならば1時間弱で空港まで行かれるところが2時間くらいかかってしまいました。ここ数年、郊外に住宅街ができたりして(リアンの親元の裏みたいに)シカゴの中心街までそこから通う人達が増えたことも渋滞がひどくなった原因のようです。

 半年ぶりに会ったリアン、私のことをちゃんと覚えていてくれました。(笑)

 10月1日早朝、私はリアンをレンタカーに積んでカナダのトロントへの飛行機に乗るべくオヘア空港にまた戻りました。レンタカーを戻す時にガソリンを満タンにしなくてはならないのですが、ここしばらく毎日ニュースで流れるほど原油価格が高騰していて、シカゴ近郊のガソリン代は、ついにガロン2ドルに達していました。(驚)それでもまぁ日本よりは安いのですが、移動距離が半端ではないことと燃費効率も気前のいいアメ車なのでこの値段は厳しいものだと感じました。

 トロント空港には昼前くらいに到着。アメリカからカナダと国は違うのですが陸続きで感覚としては異国に渡ったという感覚がほとんどありません。空港の表示が英語とフランス語との表示になっている事がアメリカとは違うくらいかな。当然、犬の持込みにも検疫らしいものは全くなく、有効期限内の健康証明書と狂犬病予防接種証明書があればほとんどフリーパスという感じです。通関の時に何かフード類などは持っているのかと聞かれたので、真っ正直に「ドッグフードの缶詰めがある」と言ってリアンの親元から一つもらってきた物を見せたら、なんと取り上げられてしまいました。(驚)これって恐らく、カナダでも売られている物だと思うんですけどねぇ。(マスターフーズ社製。ちなみに日本では私は見たことがない缶詰ですが)検査官曰く「肉副産物が入っているのでだめ」なんだと。(謎)おそらくカナダで作られてカナダで売られているドッグフードの缶詰にも同じ物が入っていると思うんですけど?

 この後、カナダ滞在中にお世話になるマコさんと会ってそのままマコさんのお宅まで連れていってもらいました。今回のトロントでの交配もマコさんが近くに住んでいてくれたことが本当にラッキーでした。もしたった1人でカナダまで交配だけのために出向いて来ていたとしたら、滞在中に相当退屈したでしょうし、他にやる事も見つからなかっただろうし。。(苦笑)おかげで思わぬところでカナダ・ぷちオフになり、画像ではおなじみだった奈々ちゃんとスカイ君に実際に会えるという最大のおまけ付きになりました。

 3頭揃っての記念撮影。スカイ君は両手に花?リアンはちょっと緊張気味。(笑)

 実際に会った奈々ちゃんはとてもお茶目でカッ飛びのお子ちゃま。スカイ君は菜々子を彷彿とさせる愛想の良さと、大人の雰囲気でした。リアンはと言えば、どこに行ってもマイペースでした。