遺伝性疾患の検査では現在、vWD のように遺伝子レベルで疾患の有無が判別できるほど進歩してきています。そのような中で、CGAP(Canine Genetic Analysis Project)では病気の遺伝モードの評価及び、発病に関わる遺伝子の究明の研究が行われています。これは、UC Davis のアニマル・サイエンスという部署で行われている研究で以下の病気と犬種に関して遺伝子サンプルを集めています。

アディソン病スタンダード・プードル、ビアデッド・コリー、レオンベルガー、ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ、
       ウェストハイランド・ホワイト・テリア
テンカンプードル(3バラエティ)、ベルジアン・タービュレン、ベルジアン・シープドッグ、
     ジャイアント・シュナウザー、イングリッシュ・マスティフ

 この他、ジャックラッセル・テリアについては PRA、若年性白内障、レッグペルテスなど別疾患のリサーチのためのサンプルを収集しています。

 遺伝子サンプルの収集は上記の病気を発病しているもの、発病していないものの両方で、国外からも広く募集されています。遺伝子サンプルは、小さなブラシで口腔内(頬の内側)をこすり、そのブラシをCGAP に返送するだけで、サンプル収集用のブラシは無料で送られてきます。

 アディソン病は近年、スタンダード・プードルでは遺伝との関与が強く疑われており、この病気にかかると生涯にわたって薬剤のコントロールが必要な上、重症あるいは急性の場合は命に関わる重大疾患です。先天性のテンカンについてはプードルの場合、家族性がみられることから遺伝性という認識が一般的です。

 日本にもサンプル収集のためのキットを無料で送付してくれますので(但しアメリカへの返送はこちらの負担)将来の研究のために協力しよう、という方は、キットを請求してみてください。遺伝子レベルでの調査、研究のためには数多くのサンプルが必要です。CGAP のURL は http://cgap.ucdavis.edu です。なお、サイトは全て英語。また、キット請求及び、返送の際の記入書類も全て英語ですので、簡単ですが、以下の解説を参考にしてください。

キットの請求

 CGAP のトップページをスクロールダウンして、該当犬種名をクリックします。そこで現れたページでは、調査についての簡単な説明などがあります。ここで Request a Kit をクリックして次に進みます。(スタンダードの場合)
 Miniature & Toy Poodles の場合は、Request a Kit が2つありますが、このうち2行目の方を選んでください。

 Request a Kit をクリックすると、以下のような画面になりますので、必ず「半角英数文字」で記入します。アンダーライン部分は記入必須項目です。メールアドレスは、記入に不備がある場合などの連絡先になりますので、記入することをおすすめします。

 上記のフォームでリクエストすると、10日ほどで、サンプル収集のためのキット(小さなブラシ3本)が届きます。

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