アメリカのラボに検体(血液、皮膚サンプル)を直接送る方法


 日本からアメリカに生の血液サンプル、皮膚サンプルを送る場合はまず日本において、動物検疫所が発行する「輸出検疫証明書」が必要です。また、これとは別にアメリカでの通関のために一筆書く必要があります。
 甲状腺機能検査のために血液サンプル(血清)を送った時の私自身の経験から、こちらにまとめてみます。

◆輸出証明書の取り方−ステップ1 事前準備

 輸出申請のためにこちらでまず準備する書類は、サンプルを採取する1)犬の健康証明書です。これは日本語でもちろん大丈夫です。証明書に必ず記載しておくべき内容は、現在、サンプルを採取した犬自身が健康であり、感染症などの問題はない、ということです。アメリカに検体を送る場合に問題になる人畜共通感染症は、レプトスピラです。(2006年4月現在)
 
狂犬病予防接種に関して問合せが多いのですが、基本的に(法的義務により)狂犬病予防接種はするべきですが、アメリカに検体を送る際、狂犬病予防接種がしてあるかどうかは2006年4月現在私が知る範囲において、必ずしも必要ではありません。ですので、仔犬の場合などで狂犬病予防接種が可能な時期以前(生後3ヶ月未満)であったり、狂犬病の予防接種を受けていない場合でも血液や皮膚を送ることによって可能です。(ただし繰り返しますが本来、法的には生後3ヶ月以上の犬は特別な理由がない限り狂犬病の予防接種は義務です) 

 下記のサンプルでは書面内に予防接種年月日などを記載するようにしましたが、特に文中にない場合は、狂犬病予防接種などの証明書のコピーを添付するだけでOKです。私はいつも、狂犬病予防接種証明書とワクチン接種証明書のコピーを健康証明書に添付して提出しています。
 病院のレターヘッド(病院名、住所、連絡先が記載されているもの)を使用することをおすすめしますが、そのようなものがなければ、きちんと病院名や獣医師名と印鑑(もしくはサイン)があれば大丈夫です。

 書式など不明な点は、必ず動物検疫所に問合せをしてください。
 
下記はあくまでも私が使用した例ですので、不必要な項目は削除してもいいかもしれません。

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健康診断証明書

   犬  名:                      性  別:

   犬  種:                      生年月日:

   登録番号:

   飼主氏名:

   飼主住所:

   狂犬病予防接種年月日:                各種感染症予防接種年月日:

 特記事項:

  上記の犬の健康状態は現在良好で、特記すべき異常はありません。

   年   月   日

                                    動物病院の住所、連絡先

                               獣医師:(サイン)

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注)登録番号は市町村に届けている、狂犬病予防法に基づいた登録番号です。これで日本在中の犬であることも同時に証明できます。

 次に用意するものは、2)アメリカで通関する際の書類です。これは、OptiGen サイトにあった内容をそのまま使いました。(オリジナルはここにあります。また、USDA Guidelines of Importation - #1102 Feline and Canine Material に関する内容はこちらです。これらの説明については、こちらを参照してください。)

 Regarding USDA Guidelines of Importation - #1102 Feline and Canine Material, I understand that USDA import permit is not required for these canine materials since I can provide the following true statements.

The materials in this shipment are canine blood. (serum)*
These materials do not contain any other animal derived material (ie. from livestock or poultry).
These materials were not derived from dogs which were inoculated with or exposed to any infectious agents of agricultural concern.

I declare that the above information is true and correct to the best of my knowledge.

Signature: (サイン)
Print Name:(ブロック体で名前を書く)

 私の場合、荷物は一つですが中身のサンプルが複数でしたので必要に応じてオリジナル文章の単数を複数に直しています。
 prcd-PRAテストのためにOptiGenに血液サンプルを送る場合は全血ですが、狂犬病の抗体検査や甲状腺機能パネルテストのために送る血液は分離血清(serum)ですので、血清を送る場合はblood の後に(serum)と書き加えました。また、送るサンプルが皮膚の場合は(SAの検査)blood をskin と書き換えねばなりませんので、ご注意ください。
 また、私の場合はパソコンで作った自分のレターヘッドを使いましたが、氏名・住所等の記載がない白紙に書く場合は、名前の後に住所、連絡先電話番号等を添えて書いておくとよいと思います。日付も添えてください。
SA 検査の為に皮膚サンプルを送る場合の注意はこちら。

 以上の1,2を準備して、動物検疫事務所にて輸出検疫証明書を作成してもらいます。

◆輸出証明書の取り方−ステップ2 事前準備

 お住まいの地域から一番近い動物検疫事務所に連絡し、検査のためにアメリカのラボに血液(もしくは皮膚などの)サンプルを送りたいので、輸出検疫証明書がほしいと連絡をしてください。通常、「畜産物検疫課」が執り行っています。
 
(余談:応対に出た係員が「具体的に知らない・わからない」場合がありますので、こちらから書類等の説明をする必要が生じる場合があります。ですので、前もって USDA の通関のためにはどういう内容の書類を用意しているのか担当者に伝えてください。)

 輸出検疫証明書は、いきなり書類とサンプルを事務所に持ち込んでもその場で作成できません。必ず事前に連絡をしてください。
 輸出検疫証明書発行のために「輸出検査申請書」を記入しなければなりません。これを事前にファックスか郵送してもらって必要事項に記入します。私の場合は、上記の1)2)の書類を(1の健康証明書は病院で書いてもらう前の項目のみの白紙状態でしたが)確認のために一旦検疫事務所にファックスで送り、了解をいただいた上で輸出検査申請書をファックスで送ってもらって記入。またそれを事前にファックスで返送してから事務所に行きました。面倒なようですが、血液などは送る時間がかかってはまずい場合があるので、事前にできることは全てやって万全な状態で申請した方がベストですし、無駄足を運ばなくて済みます。書き方がわからなければ、検疫事務所で教えてもらえますので、さほど難しい物ではありません。

 輸出検査申請書には「搭載船舶(航空機)名」を書く欄があります。FedExに事前に連絡をして、送り出す予定の日の飛行機の便名をここに書きます。

必要書類の準備、日本の検疫については以上です。

◆送り方実際編@FedEx

 日本語の健康証明書、英語のUSDA 用書類、検疫事務所で作成してもらった書類は、梱包した箱の外側にすぐ取り出して内容が確認できるような形にして添付します。サンプルを入れた箱の中にも健康証明書、USDA用書類、輸出検疫証明書(コピー)を入れます。つまり、これらの書類は2通ずつ作成しておく必要があります。(中に入れる分はコピーで可)

 これらを持って、FedEX の営業所に持ち込み、必要書類(コマーシャル・インボイス)、送付票に記入すれば OK です。ドロップボックスなどではなく、必ず営業所の窓口で出してください。
 コマーシャル・インボイスについては、当日営業所の窓口で記入します。書き方がわからない場合、職員に聞けば大丈夫です。売り物ではないのですが、単価を書かねばなりませんので、私の場合は、まぁ容器代かな?と思って100円とか150円なんて値段にしました。(笑)
 血清をカリフォルニアに送った時は、送料は6,800円くらい、2日ほどで目的地に配達されました。


検査用血液送付の注意事項

 検査のための血液送付は、送る時期、季節(気候)に注意が必要です。血清ではなく「生の血液」を送る時は特に温度変化に弱いので夏場は避けたほうが無難です。気温的に暑い時期に送る場合は保冷剤を入れますが、血液に直接触れて血液が凍ってしまうと検査に使えなくなりますので、内箱を2重にするなど必ず梱包は別にして触れ合わないよう注意が必要です。
 また、通常ラボは土・日・祝日は休みです。休みの間は配達されずに現地で留め置かれてしまいますので、日本からは月曜日に送りだすのがベストでしょう。できればアメリカの祝日も調べて、
休み明けに確実に届くよう日本から送るようにしてください。今までの経験から、関東地域(成田発)のFedEXの場合、東海岸でかかっても2日半ほどで到着しています。