最初に私が飼ったプードルがトイのアディです。トリミング学校に通っている間、自分の勉強のために手に入れました。来た時は本当に小さくて、涙が出そうなほどか弱い仔犬でした。当初、どんなにかわいくて愛らしいこの子でも、せいぜい付きあえるのは15年くらいと思って覚悟していましたが、18歳半になるまで、私と一緒に過ごしました。

 左の写真は来て間もない頃、天使のように愛らしかった仔犬の頃のアディ。


 2歳頃まで展覧会に出し、その後繁殖をしたりしていましたが、繁殖は3胎のみ。10歳を越えてから訓練競技会にもチャレンジしていましたが老齢には勝てず片目の視力を失い、次に聴力を失ったため競技会と訓練タイトルは断念しました。
 片目の視力を失ってから見えない分を耳で補おうとしたのか、見えない方の耳は完璧に立ってしまい、まるでパピヨンのようになっていたものです。 
 左は、お気に入りの写真。9ヶ月頃。アディの自慢はなんといっても「美しい顔」。
 右は、JKC 家庭犬訓練競技会でのアディ。この時すでに10歳過ぎで、どの競技会でもアディは堂々最高齢出場犬でした。

 Teaching an old dog new tricks!

 競技会だけでなく、遊びで数々のトリックも覚えました。全て10歳過ぎからの習得で、まさしく「50の手習い」
 「老犬に芸を教える」(「無理なこと」というのが本当の意味)という言葉を文字通り地で行くスーパーばぁさん。腕輪飛びは身軽なアディの得意技の一つでした。


 プードルの面白さ、賢さ、素晴らしさを最初に教えてくれた一番の子で、いろいろな苦労を一緒にしてきた大切な子です。

 小さいくせに大胆で若い頃は少々押しの強い面もありましたが、歳を取ってからはずいぶん性格が丸くなりました。しかし、頑固さと妥協しない意固地さは健在。数年前までは、一声で布団から体の大きな菜々子を追い出すほどで、文句なく我が家のナンバー1でした。その後さすがに歳には勝てず、老犬の域に入ってからは一日の大半を寝て過ごす猫のような生活をしていたものです。更にその後は老齢からくる認知障害が進み、いわゆるボケ的症状的な徘徊行為や昼夜逆転などと手がかかることが多くなり、当初はだいぶ振り回されたものです。さんざん手をかけさせたアディも去年暮れ、18歳半で亡くなりました。
                   (07-2000, revised 02-2001)

Addie @office

 2000年7月、土曜の蒸し暑い晩、けいれんを起こして死にかけ、なんとか一命をとりとめたもののその後はほとんど体の自由が効かなくなったり、認知障害が更に進んだりで、一時期は介護にかなり大変だったものです。アディの最後の数ヶ月をいずれ何かの形で残しておこうと考えていますが、その最後の数ヶ月の日々が濃厚だったため、なかなかまとめきれずにいます。アディがいなければ今の生活も、私の今日までの日々も全く違っていたはずです。ある意味、私の人生を変えた最初のきっかけをもたらしたのが、まさしくアディでした。
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