No Off-Leash in public places PLEASE!!

 今回の勝手な独り言は、ちょっと毒があります。気分が乗ったら、もっと毒を盛るかも(書き換え、付け加え)しれませんので、そのおつもりで読んでください。なんでタイトルが英語か?ですけれど、以下の内容を日本語でいくらお話しても「通じない方」がたくさんいらっしゃるということによく気づかされるのです。ですから、せめてタイトルを英語にしたらわかってくださるかな?と思ったというわけなんですけれどね。(笑)日本語、英語以外の言語は私もわかりませんので、すみませんが、そこまではご勘弁を。(爆)
 というわけで、かなり意地悪な書き方をしておりますので、そのつもりでお願いいたします。(苦笑)

 大型の犬を飼っていると、どのように運動させるかは問題の一つになります。特に過密な都心部、安全で広い場のないような所に住んでいるとなおさらです。

 最近、インターネットのサイトをあちこち見ていると、どこかの公園、広場、河川敷などで他の犬とオフリードで遊ばせている人達が多いような印象を受けます。というか、実際私の住んでいる地域の回りでも、公園などで堂々とリードを放し、他の犬と集団でオフ・リード運動会を繰り広げているのを目にします。

 これはやめましょう!
 まず、公共の場でリードを放すことは条例違反です。それと、だいたい見ていて、こうやって犬集会をやっている犬達の多くがきちんとトレーニングされていないか、あるいは飼い主はしているつもりでも、呼ばれて戻れない犬が多いようです。私は何度もコレで迷惑をこうむっています。私は他の犬と自分の犬が束になって犬同士で好き勝手に遊ぶことは好みません。それと、どこでもホイホイ、リードを離す飼い主、はっきり言って嫌いです。

 いくつか理由がありますが、そのうちで一番大きなものは、犬同士で勝手に遊ばせることが必ずしも犬にとって良いことではないということです。こう言うと多くの人達が「犬は犬同士で遊ぶことがとても幸せなのだ」と言います。確かに、犬にとってはそうでしょう。しかし、犬と暮らす私たちがまず考えなくてはいけないことは、犬とそれぞれの飼い主との関わり方、平たく言うと「絆」です。犬は犬同士の方が楽しくて、話もすぐに通じててっとり早いし面白いのは当たり前です。しかし、犬は犬の集団で犬だけで勝手に暮らすのではなく、飼い主家族、つまり人間と暮らすのです。私は仕事柄、一般の犬の飼い主さんからいろいろしつけやトレーニングに関しての質問を受けることがあります。その中で驚くほど多いものが「他の犬を見ると興奮してしまって言うことが聞けなくなる」「他の犬と会うとコントロールできない上に、いきなり引っ張られたりして困る」という類いのものです。こういうことで困っている方に「普段どうやって犬の運動をしていますか?」と聞くと、そのほとんどの方が、公園などに行くと犬のお友達がいて、そのお友達と好きに遊んでいる、というのです。
 おわかりになりますでしょうか?犬が楽しそうだから、幸せそうだから、犬同士で遊ぶのを見ているのが面白いからと、犬同士で遊ばることを日常的に繰り返していると、犬の心は飼い主よりも他の犬の方にばかり向くようになり、肝心なときに飼い主の言うことなど耳に入らなくなる危険が非常に大きいのです。

 そんなこと、あるものか、、、そう思われますか?
 実は、上記のことは私自身も身をもって体験したことなのです。公園などで会う他の犬と遊ぶ楽しさを覚えた菜々子は、他の犬を見ると興奮し、言うことなど全く耳に入らなくなり、大好きなボールを与えられても無視し、飼い主の存在など一切忘れた犬になりました。この状態から、犬の気持ちを飼い主の方に向けるのは大変な努力が必要になります。あなたも同じ苦労をしないことを願ってやみません。
 しつけ教室や、しつけなどに関するセミナーなど、何かで私が飼い主さん達に話をする機会がある度、一番大切なことは自分の犬としっかりとした「関係を築くこと」であると必ず伝えます。犬との心のつながりを大切にして欲しいのです。あなたの犬にとってのナンバー・ワンは飼い主であることが理想だと話をします。他の犬のお友達よりも魅力的な飼い主になる必要がありますよ、と。そして、そのためには多大な努力が必要なのです。

犬が楽しいならそれでいいじゃない。
 そうでしょうか?犬同士で公園で追っかけっこをしていて、そのまま道路に飛び出して交通事故に遭ったということが実際に身近でありました。飼い主が呼び止められなかった結果です。
 別の近くの公園では、毎晩繰り返される犬の運動会に周囲の住民が苦情を申し立て、利用時間制限(夜になるとフェンスが全て閉まる)がついてしまった所があります。また、最終的に犬が集まれなくなってしまったような場所もあります。他の人から見れば犬が何頭も集まって場所を占拠して好き勝手にしているとしか見えない訳ですから、これは苦情がきても仕方がないと思います。こういうことの繰り返しで、犬が入る場所がだんだん少なくなってしまうのかもしれないんですよ。それでも、自分さえ良ければいいんでしょうか?
 拾い食いの事故や、糞尿の問題、遊ぶだけならまだしもケンカになって怪我をした、怪我を負わせたというトラブル、果ては通りすがりの犬や子供を追いかけての事故、ということも実際に起っています。私の知りあいなんて、集団で遊んでいる犬を横目に通り過ぎようとしたらその中の犬が1頭いきなり走って向かってきて、連れていた子が噛まれたりしています。

犬には社会化が必要でしょ?
 これも多く聞くセリフで、犬同士を遊ばせるいい言い訳になっているんですよね。
 本当の意味で犬が犬としての仲間とのつきあい方を学ぶ時期は、仔犬のうち、それもとても若い時期(ワクチンが全部終らない頃まで)であって、いくら仔犬とは言え、4カ月も過ぎていてはあまり意味がないことも多いのです。ましてや大人になってからでは副作用(飼い主に関心が向かない、余計なケンカを覚えるなど)の方が大きく、他の犬とうまくやるという意味での「社会化」という効果は非常に薄いと私には思われます。
犬に犬のお友達が必要なのではなく、外で他の犬に出会っても冷静に対応できる能力の方が必要なのです。そのためには、まず飼い主との関係作りの方が大切である、と考えます。
 それと、誤解が多いのですが、社会化=他の犬とお友達ぃ〜、ではないんですよ。それで、いわゆる犬の社会化は、一生していかねばならないことなんです。本当に飼い主といい関係ができていて、きちんと適切な社会化ができている犬達は、逆に他の犬と積極的に遊ぼうとはしなくなる、ということも経験しています。

じゃぁどうすればいいの?って?

 犬の運動は、飼い主が努力して、工夫して、飼い主と一緒にすることがベストです。広い所を走らせたいという要求があることはわかりますが、ロングリードを上手に使うだけでかなりの運動ができるのです。やり方がわからない?それは、あなたの工夫と努力が足りないのですよ、と私は言いたいんですけれどね。(笑)他の犬と束にしておっぱなして楽しませるとか、安易に「お友達」と言って複数で飼育して犬の群で楽しませておく、というのは私に言わせれば「飼い主の究極の手抜き」です。まぁ、そういうことをして最終的に自分を振り向いてくれないような犬を作ってもいいのなら話は別ですから、好きにすれば?ですけど。(複数飼育は、考えてみるととても難しいことで、飼い主の努力も時間もたくさん必要な大変なことです。真面目に考えれば考えるほど、そうそう数は増やせないとも思うのですけれどね。)

 一生に一度も、絶対にリードを外すな、とは言いませんよ。私も条件と場所が揃えば放してトレーニングすることもありますから。周囲が本当に安全か、放しても他の人や犬に迷惑になり得ないか(ここは重要!)自分の犬を呼び戻す確実な自信があるか。これらを考えて、ご自分の責任でどうぞ、です。そうそう、犬が飛びついて人に怪我させて、ものすごい賠償金になった裁判もありましたね。そういうことも考えねばならないし、いえ、その前にきちっとトレーニングしましょうね。(苦笑)

 あぁ、それから。。。
 くれぐれもあなたの犬を私の子達に勝手に近づけないでくださいな。私は、最初に書いた通り、他の犬と自分の犬を遊ばせる趣味は持ち得ておりません。知っている子ならまだしも、知らないあなたの犬に来てほしくないのです。それも黙っていきなり。私は、自分の子達と遊ぶだけで十分ですし、その遊びもトレーニングの一つになりますから、邪魔してほしくないのです。それと、あなたのかわいいワンちゃんは、きちんと予防接種して、健康管理してますか?うちの菜々子、病気の治療の関係があって現在免疫力が低下していますので、あなたの子は平気でも余計な病気をもらいたくないんです。
 よくみなさん「平気だから」「うちの子は大丈夫」っておっしゃいますが、何が大丈夫なのでしょうねぇ?(笑)リアンはあの勢いで、遊びに誘います。跳びます。無法者です。小さい子なんて蹴飛ばされて怪我しかねないので危ないんですよ。リアンには悪気ないんで、私はあの子を「悪者」にしたくありません。また、菜々子は自分が気に入らない相手には、はっきりと「アンタ嫌い!」と言います。どう言うかって?鼻にシワ寄せて歯むき出して怒ります。犬にとっては正常な行動で、きちんとした意思表現です。ところが、世の中の犬に詳しいと自負している犬好きの飼い主の中には、こんな簡単なメッセージもわからなかったりして「あらぁ、他の子と遊べないのね」とか「まぁ恐い」なんてとても失礼な事をおっしゃる方が意外と多い。更に悪いことに、世の中の犬全てが犬語がわかるわけでもなかったりするわけで、「嫌だ」と言っているのにそれがわからずに絡んでくる失礼な犬もいたりするんですよ。
 それと、うちの子は大丈夫って言っている飼い主に限って、全然大丈夫じゃないじゃん、って言いたくなるほどトレーニング入ってないってのも長年の経験でわかっていますので、私は一切信用いたしません。そんな安セリフ、お願いだから言わないで、黙ってリード付けてくださいね。他の人や犬にも気配りのできる素敵な飼い主にお互い、なりましょう。
 あ、もう一つ。(今日の私は意地悪ね/苦笑)
 大丈夫、平気、って言うなら、本来、リードつけたまんまでも大丈夫なんじゃないの?私はリードつけた(手に持った)まんま、かなりうちの子に運動入れられますよ。これも工夫と努力次第。そういうことができないなら、大型犬を飼うことじたい、考え直された方がいいのでは?って思いますけれど、いかがでしょうか?

12-2002

飼い主の責任

 飼い主の責任の一つに「自分の犬を守る」ということがあります。
 ノーリードにしていて、あなたは自分の犬を守れますか? 交通事故や他の犬と絡んだ末の怪我などはもちろん、他人を怪我させたり(走っていてぶつかる、とか)他の人の犬を傷つけたり、あるいは傷つけられることがあるかもしれません。事故になれば自分の犬の命にも関わります。そして、多くの事故は飼い主さえ気をつけていれば防げると思います。
 こうした「目に見える事故」以外に忘れてはならないのは、周囲への配慮だと思います。先に書いたとおり、毎晩繰り広げられる無秩序な犬のノーリード大運動会に周辺から苦情が来て、犬の立ち入りが制限されてしまった場所というのが実際にあります。良かれと思って(それの良かれ、というのは自分だけが良ければ、といった究極の自己中的考えなのですが)行っていたことが、結局自分や自分の犬のためにならなかっただけでなく、他の犬や飼い主達にも迷惑をかけてしまったといういい例だと思います。世間は1人のマナーの悪い飼い主を見て、全ての人と犬はマナーが悪いとくくってしまうことが今でも多くあります。たった1人の無作法で迷惑な行動が、他の善良な犬と飼い主の首までをも締めかねないということを、是非覚えていてほしいと思います。世間は甘くありません。こういう面からもまずは後ろ指さされないように「自分の犬を守って」ほしいと思います。

1-2005

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